EMS SYNTHI VCO rev.2

EMS SynthiのVCO。2度目の制作になりますが、設計を大幅変更しました。何せオリジナルの発売は1971年なので設計が古く、電源も+12V、-9Vという偏った電源を使用しています。

そこで、今回の変更は+-12〜+-15の電源でそのまま使用出来る様に変更しました。ディククリート(トランジスタで設計)VCOなので抵抗の定数を変更するのだが、実はトランジスタ回路ってさっぱり解らない。トランジスタに関する本を見ても、XをYとするとZは…みたいな感じで、何故その抵抗値になるのかあまり説明が無いし、両電源での設計方法なんて更に説明が無い。ネットで調べても両電源でトランジスタ回路を設計する為のヒンントさえ見つからない。と前置きした上で行き当たりバッタリで定数を変更し、何とか動かすことができた。

以下が定数を変更した回路図。
EMS Synti VCO

基本的にリセット型VCOをディスクリートで組んだだけで、上の部分の回路は、一部オペアンプを使い現代的なVCOの回路に近づけたモノ。下はオリジナルから抵抗の定数を変更しただけのもの。

http://houshu.at.webry.info/200704/article_2.html

こちらの解説を参考にしましたが、自分なりに解りやすい様に書き直したモノです。実際はアンチログは上の回路で、COREの部分は下の回路という構成が、本来の音質はそのままでチューニングの安定性もある回路になります。アンチログはチューニングの安定性以外の部分で音質には影響ありませんので。

まだ全ての部品を付けていませんが、動作確認はOK! 

肝心の音はというと、当然ながらブッとい。Mini Moogが軽くて薄っぺらたい音に聞こえるくらいワイルドです。ソフトウエアシンセの音とは全く噛み合ない事必至。使い道が無いくらいの圧倒的存在感です。今時のKo…社やらArtu…社、Moo…社のアナログシンセの音とは比べてはいけません。もちろんDoep…社とかも。それらの音がおもちゃとしか思えなくなります。といってもキワモノ的な感じではなくしっかりとしたVCOです。



完成予定のパネルです。

特徴…1
オリジナルは波形を2つのノブでMIXしますが、1ノブでMIX出来る様に変更。リアルタイムで波形を変えたいときはこちらの方が便利。

特徴…2
各オシレーター同士シンク出来る。

特徴…3
オシレーター3はオリジナルはVCO というよりLFOで使用する事を前提にしているので、周波数が低く、チューニング安定性がオシレーター1、2より悪い。そここでオシレーターとして使用するかLFOとして使うかスイッチで切り替え可能にしています。またLFOのポジションにした時はFrequencyのノブのチューニングが広くなる様にしています。

特徴…4
チューニングは1V/OCTにしている。また温度に対する安定性も考慮して設計しています。
オリジナルは0.2V/OCTくらいで動く設定なので、そもそものチューニングの悪さと共に正しいチューニングはほぼ不可能。

Analogue SystemsのVCOはEMSっぽいだけで、EMSのVCOとは回路が全く違います。
http://fukusan.com/products/as/rsmodule_html/rs095e.html

※欲しい人には5万円程度で制作します。もちろんオールハンドメイドなので時間はかかります。本当の音を感じて欲しいだけです。

2013年8月11日 | カテゴリー: D.I.Y   パーマリンク

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