前川國男先生の初作品

前川國男といきなり言っても解らない人が多いと思います。ル・コルビュジエの直弟子であり、丹下健三の師匠といえば、おぉーなるほど!となる事でしょう。

ウチのバアさんの葬式で弘前へ帰郷しまして、弘前市斎場がスゴイって話で、ウチの母が前川國男って有名な建築家の先生が作ったんだと教えてくれ、そう言われれば確かに佇まいが違うし、内部の音響効果が素晴らしい! ついPAとしては手を叩いてみると、何と素晴らしい音響効果。坊さんの声が響く様に、建物の内部構造がホーンツイーターの様な形をしている。何と荘厳な建築でしょうか。多くの建築家が教会にことさら拘り、光と音の調和を追求するであろう情熱を、斎場に向けている。


何とも素晴らしいので写真を撮りたい所だが、斎場という事でちょいと気が引ける。そんで弘前に数ある前川國男先生の建築の中で初作品である
『木村産業研究所』を訪れてみた。1932年の作品ってことで思い切りル・コルビュジエやらバウハウスやらの雰囲気。明治期の洋風建築や江戸時代の遺産は色々あるが、こんな素晴らしい近代建築の名作が弘前にあるとは思わなかった。

国登録有形文化財であり、DOCOMOMO100選だそうです。

お休みで内部は見れなかったが、照明やドアノブなども戦前のそのままの物が使われている。奇跡の保存状態。ポーチの一部は文化財登録にあたり復元したらしいが、雪国で屋根の無いポーチは構造上無理があって取り外されていたらしい。

青森県立弘前中央高等学校講堂(1954年)
弘前市役所(1958年)
弘前市民会館(1964年)
弘前市立病院(1971年)
弘前市立博物館(1976年)
弘前市緑の相談所(1980年)
弘前市斎場(1983年)

弘前は時代を追って前川國男先生の作品を見ることができます。
堀江佐吉の洋風建築群、吉井酒造の建築物群、お城…と弘前は名建築の宝庫です。

※現在住んでいる世田谷区役所も前川國男先生の作品だそうで。

2013年7月23日 | カテゴリー: News   パーマリンク

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